Bennys First Trip Diary vol.4
僕は夕陽を見るのが好きだ。
地元、沖縄では当たり前にあるその夕陽が パプアニューギニアでは貴重だった。
安全の為、夕陽が沈む前には必ず部屋の中に戻ってゆっくり過ごす。
現地の方と少しずつ仲良くなり楽しく話せるようになってきていた。
楽しくその友人達と外で話しているといつの間にか陽が暮れてきていた。
いつも見ていたはずの空の色に、心が穏やかに喜ぶ。
伝統的なファイヤーダンスを僕に見せようという話になる。
裸足で火を踏んで消すダンスらしい。
早速ツアーを組んでいるリゾートに行こうと、進む話に膨らむ不安。
もう、とっくに真っ暗だ。
おじちゃんに今行くのか明日にするのかハッキリしろ、と言われ今行くと言い切る。
友人2人も危険だからと一緒に暗い路地を歩く。
結局、ツアーは組めなかった が
そこのレストランでギター演奏を聴きながらゆっくりする。
もう友達なんだから と、
スナックとスプライトを奢ってくれる2人の優しさに満たされる。
振り返ると見覚えのある日本人がレストランのメニューを覗いている。
あの人だ。
きっとあの人に違いない。
驚いているのに、にやにやする自分がいる。
ドレッドヘアーでバンダナを頭に巻くスタイルの彼は、
僕が本を読んでライブにも行ったあのアーティストだ。
彼は1年の半分をライブで日本全国をめぐり、
残りの半分を海外をめぐりながら創作活動をしている。
声をかけると逆に驚かれた。
彼は30年憧れ続けてやっと来れたパプアニューギニアの旅の最中らしい。
お互いのタイミングを考えても単なる偶然が重なっただけ、
では片付けられない出会いだった。
不思議とこの人に会わされた。 引き合ったように想った。
その言葉が彼の口をつく。
どういう訳か、負けることについて話が流れる。
彼曰く、 「負ける経験が君を豊かにするよ」 と。
ここでいう 「負け」 は、人から評価されない。
自分で完璧だと思えないことを表現することだと思う。
何かを始めようとした時、 大抵の人はスキルから学ぼうとする。
そうじゃなくて、 完璧さ や、
誰かに評価されるものではなくてもまずは やっちゃえ! という感じだった。
その言葉通りに彼は、様々な表現手段で型にとらわれない表現をしていた。
なんか、 いいなぁ と思う。
自分は負けないようガチガチに技術から学ぼうとして挫折するタイプだった。
あぁ、このメッセージをこの人から気づかせてもらうための出会いだったのか。
最高だな。 と、今回の旅では負けまくろうと単純な自分は決めた。
自分へのチャレンジだ。
その後、しっかり負けることになる。
続く、、、、、
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